夜に街を歩いてみた
夜中に「卵の緒」を読んでいて、ふと思い立って外を歩いてみた。
家路を急ぐ人々とすれ違う。
ふと、危うげな車有りて、そっとしておいてくれたことに対し、「これは私がもたらしたものではない、これはこの人たちが純粋に優しいのだ」と思い至った。
駅前を歩く。
ネオンサインが明るい。
この街は綺麗で、人を拒まず、ただそっと置いておいてくれる。
こんな者にも、居場所はあって、帰る場所もあって。
コーナンで植木鉢など見ていたら、蛍の光が流れ、帰る時間となった。
ふと、家があるだけこの散歩は実に贅沢なものなのだと思った。
この身に受けるもの、人それぞれ。
私はもう自分のためだけに生きるということを覚えなければいけないし、誰かが助けてくれるわけでもないのに気づかなくてはいけない。
日々はただただ、安泰だ。
それを彩っていくのは、自分の心次第。
楽しい方に目が向けば、そちらの方へと伸びていく。
大丈夫、きっと有意義な人生になる。
無駄だと思われた雑草にも、繁るだけの力はあるのだ。
こうして私は、家路についたのだった。
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